2019/03/11 木の家を楽しむスタッフの暮らし vol.58 本を借りてきました
前号にはなりますが、『チルチンびと 季刊98(2019冬)』
を見ていて『建築や暮らしにまつわる本』の紹介に
目がとまりました。(下記、P220抜粋)
『坐の文明論 人はどのように座ってきたか』 矢田部英正 著
「坐」は人が土の上にすわる形、「座」は人がすわる空間を意味する。この本では床坐と椅子の文化比較をしながら、身体から空間様式、世界の歴史までダイナミックに視点を移しながら考察。「すわる」という行為から出発する知の旅へ誘う。
気になったので
得意の図書館へ行ってきました。
『座るという毎日行っている基本的な動作には、それぞれの身体構造の違い、習慣・作法の違い、すなわち文化の違いが反映している。』ということで、それを世界の国々や沢山の写真と共に分析して書かれています。
近代文明の安楽さを享受し、椅子に座るようになると
足首や股関節を深く曲げる必要がなくなり、
関節の可動域が狭くなり足腰が退化していくという。
子供のころから、ソファーや椅子に座って育った私は
一人暮らしでの床座の暮らしに苦労したことを覚えています。
床座では、くつろぐ事が難しく、
食事をすれば猫背になるのか消化不良でお腹が痛くなっていました。
体も硬く柔軟性がないので股関節も開かず、
足首も硬いので、しゃがむことも良く出来ませんでした。
これではだめだと、
毎日ストレッチを続け、1年かけて不自由なく床座の生活が出来るようになりました。
二十歳の頃の懐かしい思い出です。
まさか足腰が退化していたとは・・・
近代化=西洋化となってしまっている日本では
今の生活の物質文化の背景には西洋人の身体感覚が無意識に存在しているとか。
そこに古代から受け継がれた日本人の身体感覚とのズレや違和を感じるのかもしれない・・。
その違和感を大事に突き詰めると、
快適な暮らしのヒントがあるのかもしれないなぁと思いました。
まだ読んでいる途中ですが
座ることを深く考えたことが無かったですし、
普段意識していない視点で書かれていて
気付きも多く面白い本です。
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