2019/11/29 杉床板の縮み
「木」が「反る」と書いて「板(いた)」と読みます。
無垢の木を扱ううえで反ったり縮んだりは付き物ですが、この現象は木の調湿作用とも関係しています。
・湿度が高い時は湿気を吸う=木が膨らむ
・湿度が低い時は湿気を吐く=木が縮む
この変化を繰り返すのが木の特性でもありますが、この特性によって起こるのが木の反りです。
よく、「木は幅方向に1/100(1%)収縮する」と言われ、ひとつの目安になります。
私の自宅では床に杉を使っていますが、1階部分の床は毎年冬になると一部分に隙がでてきます。
幅160㎜の杉板を使っているので、計算上160㎜×1%=1.6mm縮むことになります。
左右あるので、×2枚とすると、板間の隙間は計3.2㎜です。
果たしてどのくらいか。
廊下の床にスケールを当ててみると、
3.0㎜でした。
だいたい目安値です。
空気集熱式のソーラーシステム「そよ風」を採用しているのも一つの原因。
晴れた日は温風を床下まで届けてくれますが、冬場の空気は乾燥しているので、床下空間が乾燥。(温度計の下が床下空間の温度と湿度です)
結果、床の木も乾燥して縮むといった流れ。
梅雨を迎える時期になると自然と元通りになります。
薪ストーブをお使いのお宅では、薪ストーブ付近の床が縮む傾向にあります。
実際私が暮らしていて何か支障があるかといえば特にありません。
木はこういうものだと思って暮らしています。
これでよしとするかどうかはつくり手と住まい手の価値観次第。
木は使いたいけど伸び縮みが気になる方もいらっしゃると思いますので、そういう方には
いいところも悪いところも見て判断していただければと思います。