2021/04/06 製材所で勉強会
こんにちは加藤です。
今日は家づくりに使用する木材についての話題です。
先日、お世話になっている大川屋製材所を家造のスタッフで訪問、勉強会を行い、地元の製材所あっての家造の家づくりだということを改めて社内で確認し合いました。
以前にも書きましたが、実は私たちのような建設会社や工務店も「どこの木?」と使用する木材のトレーサビリティー(流通経路)を意識しているところはあまりありません。
また、木を乾燥させるのにどれくらいの時間がかかるのか?丸太をどのように製材するのか?も普段の業務の中では必要がないために意識することがありません。
今回は、木の家づくりに関わっている私たち一人ひとりが、もっと原料や流通についての知識を持ち、地元の木を使うことや、地元の製材所と取引をする理由を理解する機会にしたいと思っての勉強会でした。
中でも勉強会をする一番の目的が「造作材(ぞうさくざい)」についての理解でした。
造作材というのは、人間でいう体を支える骨の部分(構造材)ではなく、使い勝手や見た目に影響する窓枠、階段、手すり、棚、廻り縁などの部分のことです。
こういったものは、カタログで選べる既製品(建材)を使って作ることが日本の家づくりの主流になっています。
私たち家造の家では、建具(ドア・戸)も造作材もカタログで選べる既製品を使うことはなく、すべてが杉やヒノキなどでオリジナルのもので製作しています。
理由は建物の統一感を出すためであり、「なつかしい未来の家づくり」というコンセプトのもと、なるべく近くの木を使うという方針があるためです。
造作材は目に見えるところでに使うため、建物の印象に大きく影響します。節がなくきれいである必要があます。
私たちの家づくりでは時に幅広の材料も使用します。
家づくりに使うためには木が乾燥していなければなりません。
そのため、大川屋製材所では造作材として利用できる木を見定めて、私たち家造のためだけに特別に取り置きして乾燥しておいてくれています。
取引のある工務店の中でも、造作材に無垢の木だけを使っているのは当社だけということでした。実は長年自分たちが続けてきたことが特別なことだったのだとスタッフは驚いていました。
今回は大川屋製材所のご協力があっての私たちの家づくりだと理解が深まりました。
最近、外国での木材の需要が拡大して価格が高騰しており、これまでのように輸入木材が手に入らなくなってきているそうです。
地元の木をメインで使用してきたため当社には影響はありませんが、今後は木材の流通状況が変わっていくと大川屋の社長がはなしていました。
また、最近コロナの影響や半導体メーカーの工場火災で、サプライチェーンという言葉を聞く機会が増えました。
車をつくるには、必要な時に必要な量の部品を手に入れる必要がありまが、家をつくるには材木が不可欠です。
なるべく近くの山の木で、なるべく顔の見える製材所から仕入れた木を使うという最短の流通経路が、実は一番安定していて、更に輸送のためのエネルギーも使わないため炭素の排出量も少なくて済みます。
地元の木で、地元の製材所で、ということに新たな理由を発見することもできました。
「どこの木か?」これから家を建てようと考えている方にとっては、興味のわく話ではなかったかもしれませんが、「私たちはこのようにしています」というお話でした。
お付き合いありがとうございました。
次回は建具屋にもお邪魔して勉強会を開催したいと考えています。